大学生におけるインターンシップ制度は、日本の多くの大学では平成
11年度から開始し、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の行政も推進している。平成14年度には約半数〔317校(46.3%)〕の大学が授業科目(単位認定)として取り組むようになった。
山梨学院大学では、平成元年に経営情報学科を設置したことを契機に、特色ある教育のプログラムとして、実習先の職場に実際に触れ 1)専門的教育研究への意欲を高める。2)就職の意識づけや将来の目標設定などに役立てるなどを目的に、インターンシップ制度をスタートさせた。その後、法学部が平成12年度から『公務実習』と平成14年度から『司法実習』を、商学部が平成15年度から『企業実習』を行っている。
同校商学部商学科3年の古茶裕美さん(20歳)は、夏休みを利用して東京新都心の西新宿にある「京王プラザホテル」で、4週間の短期間業務体験を行った。古茶さんは「中学生のころ、民放テレビ局で放映された、高嶋政伸さんが扮する熱血ホテルマン・赤川一平のドラマ『HOTEL』(1998年4月〜6月)をみて、ベル・ガールになりたいと思った」と話す。高校のときホテル専門学校と大学への進学で悩んだが、「幅広く学べて潰しが効く大学への進学を決断し、ホテルなどのサービス産業を学べる(『サービス産業論』)山梨学院大学を選びました」と振り返る。
古茶さんは、2年生のときの『サービス産業論』の講義の中で、インターンシップ制度を初めて知った。3年になり「商学科3年次の選択科目の『企業実習』を専攻し、インターンシップ先のリストをみて『京王プラザホテル』が目に留まり迷わず希望しました」と笑顔で話す。
京王プラザホテルは、1971年にオープンし33年になる。本館・地上47階地下3階、南館・地上35階地下3階で1441の客室を有す超高層の国際都市型ホテル。「京王プラザホテルは、開業時の宿泊施設中心の都市ホテルの概念から脱却させた企業です。1968年アメリカへホテル事情視察団を派遣し、1970年に高さ日本一の47階鉄骨建て本館を完成させてから、1975年には日本の都市ホテルで初めて結婚式場としてのチャペルを誕生させます。1988年にはバリアフリーへの取り組みとしてユニバーサルルーム15室設置(現在25室)、1992年ルームサービスの24時間化、2001年全客室・宴会場に超高速インターネット通信サービスを開始、2003年より6年間で100億円超の投資によるホテル施設の大改装に着手しています」と今も時代とともに進化し続けていますと語る。
実習では「お客様のお荷物をお預かりするクローク係。お客様をフロントから客室までご案内するベル・ガール。ツアー・コーディネートのサポートなどを経験」した。「京王プラザホテルは宿泊される方は勿論のこと、広場(プラザ)ですから、人が集い出会う場所となっています。JR新宿(西口)・京王線・小田急線・地下鉄(丸の内線・
都営新宿線)から徒歩で5分。地下鉄大江戸線 都庁前駅からはすぐ、車なら『新宿ランプ』を降りてすぐというように、非常にアクセスが良い場所にあります」。その利点を生かして「宿泊者だけでなく、誰でもが利用できるレストランやバー・ラウンジなどの空間を提案しています。待ち合わせ、デート、打ち合わせ、商談、結婚式などのセレモニーなどなど、利用目的は様々です」。なかには「道を尋ねに立ち寄られる方もいます。京王では、そうした方々の全てがお客様なります」と続ける。クローク係の実習のとき「お客様の大切なお荷物を、笑顔を絶やさず真心を込めてお預かりする。おもてなしの心得で挑みましたが、道やお店など周辺情報を尋ねられ、準備も知識もなく驚きました」ホテルだけの知識では、仕事はできないと痛感したという。ホテル内の案内だけでもレストラン・宴会場・バー、客室など2000以上に及ぶ。首都圏情報までとなると天文学的数字となる。「情報が掲載されている手帳と周辺マップは手放せなくなりました」という。「成田空港、羽田空港との直通リムジンバスがありますので、外国のお客様も多いので取分け英会話が必要です」と、もっと英語での表現力があればと後悔したという。
この経験で収穫のあったことは「研修でイエローレター(苦情)を共有しビジネスに変えてしまう企業のバイタリティーや、4つの価値 1)何処でもやっているサービス『基本価値』、2)当然受けられるサービス『期待価値』、3)期待を上回ったサービス『願望価値』、4)他人に話したくなるサービス『予想外価値』の研修はためになりました。企業戦略の基本コアを学んだことです」と述べる。また、「ツアー・コーディネートのサポートをさせていただいたとき、事務室にはいろいろな情報が入りホテルのシステムの一端を垣間見ることが出来たこと」と振り返る。
中学生のころに夢に抱いたホテル産業への情熱が「実習を終えて、ベル・ガールという表舞台でなくて、ホテルの全貌が見える経営学をいかした管理運営スタッフも面白いと思うようになりました。今は、2年生から受けている『経営学』で『ホテル経営戦略』(仮題)に取り組んでいます。近頃、業種ではなくて職種へのこだわりが出てきました。京王プラザホテルからの贈り物ですね」と、目を輝かせて語ってくれた。
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