山梨学院パブリシティセンター
 
アクティブ山学レスリング3選手世界選手権へ
〜乙黒兄弟は初出場・藤波選手は2度目の挑戦〜
〜東京五輪へ向けて、世界のレベルを大会で確認〜

7月7日に行われたレスリング世界選手権代表を懸けたプレーオフで、山梨学院大から65s級フリースタイルの乙黒拓斗(2年)、70s級(同)乙黒圭祐(4年)、74s級(同)藤波勇飛(4年)の3選手が代表の座を獲得した。プレーオフは、昨年12月の全日本選手権と今年6月の全日本選抜選手権の優勝者が異なった階級で行われた、乙黒兄弟は初代表、藤波は2度目の代表となる。今回のアクティブでは、10月20日から28日にかけてハンガリー・ブタペストで開催される世界選手権に懸ける3選手に、プレーオフ後から取り組んだ練習の成果や世界選手権に懸ける意気込み、その後に続く東京五輪への思いなど大会に出発前の心境を聞いた。

◆65s級フリースタイル 乙黒拓斗選手(おとぐろ たくと 1998年12月13日生まれ 19歳)《山梨県笛吹市出身 JOCエリートアカデミー 東京・帝京高卒業1山梨学院大学法学部法学科2年》家族は両親と兄圭祐と本人の4人家族

乙黒拓斗選手は世界選手権代表に選ばれて、「そこが目標ではないですけど、日本を背負うという責任もあるので、一つの段階は超えて世界選手権の切符が取れたことはうれしいです」と振り返った。乙黒選手は昨年、11月の全日本大学選手権の試合中に左膝じん帯損傷で途中棄権し12月の全日本選手権は欠場。今年6月の全日本選抜選手権で初優勝を飾り、プレーオフに進んだ。対戦相手は、3月のアジア選手権2位の高谷大地(自衛隊)に圧倒的強さでTF(テクニカルフォール)勝ちで代表を決めた。乙黒選手は高校時代6冠を達成するなど東京五輪に最も近い選手として注目を集めてきた。しかし、3年のインターハイ3連覇を成し遂げた直後、前十字左膝じん帯断裂の大怪我し半年以上もマットから遠ざかり苦しんだが焦りはなかった。山梨学院大進学後も地道なリハビリとトレーニングを積み、昨年10月、1年余りの復帰戦となった国体61s級フリースタイルで全5試合を無失点のTFで勝利し、優勝を飾った。その後の怪我(前出)は軽傷で済んだが、12月の全日本選手権は回避し、6月の全日本選抜選手権にプレーオフ進出を懸けて臨み初優勝した。9月下旬にレスリング場で話を聞いた。「身体の調子も良いですし、技のイメージもすごくできているので良い状態です。海外選手のパワーに負けないようにウエイトトレーニングを積極的に入れて体格負けしないように練習しています」と頼もしい言葉が返ってきた。勝負への対策も怠りない。「相手がパワーで来るのは当たり前で、力で勝負するのではなく技を仕掛けて、相手の力が入りづらいところで勝負したい。海外選手に向けた対策はしてきた」と持ち前の低い姿勢のタックルを武器に戦う。19歳10か月で迎える選手権に乙黒選手は、恩師・高田裕司監督が持つ20歳6か月の最年少優勝記録更新狙う。

◆70s級フリースタイル 乙黒圭祐選手(おとぐろ けいすけ 1996年11月22日生まれ 21歳)《山梨県笛吹市出身 JOCエリートアカデミー 東京・帝京高卒業1山梨学院大学法学部4年》

乙黒圭祐選手は、昨年10月の国体では弟の拓斗選手と兄弟そろって優勝する快挙を果たした。12月の天皇杯全日本選手権では70s級に階級を上げ同門の木下貴輪選手(現クリナップ)を決勝で破り優勝した。6月の全日本選抜で世界選手権出場を狙うも、試合中に相手選手と激突、脳震とう負傷し棄権した。迎えたプレーオフでは同じ選手と対戦。僅差で前半を折り返し、後半、リードを奪い力と力、技と技がぶつかり合う好ゲームを制し、世界選手権代表を勝ち取った。世界選手権出場は小さい時から目標の一つという乙黒選手は「勝つつもりでプレーオフを戦ったので、勝った時はしっかり決まって良かった」と特別大きな喜びはなかったという。8月下旬のインカレを世界選手権に専念するため回避し、練習は順調に進み充実していた。そんな最中、9月中旬の全日本合宿中に右足首を負傷。「良い練習ができていて、調子が良く一杯練習していたら動きも良くて、そしたら怪我をしてしまった」。しかし、乙黒選手は「今、パワーをつけるために肉体改造中の最中で、丁度身体づくりをしたかったので『トレーニング週間』にでき今、自分に足りないのはトレーニングだと思っていたので良かったです」とプラス思考に考えた。その成果は「今、体重は変わらず体脂肪が減っていい感じに身体が大きくなり筋肉がついてきた」と手ごたえを感じている。アジア選手権、ワールドカップで海外選手に苦戦を強いられてきた。「以前はタックルに入り込めても崩されていたので、しっかり体幹とか鍛えてきれいに取れるようになった」と表情は明るい。世界選手権では、「自分がどのレベルにいるのか分かるし、楽しみの方が大きいです。出るからには優勝を目指しています。口には出さないですが、切磋琢磨して弟と一緒に優勝したいです。自分のレスリングをして悔いのないようにやりたい」と意気込みを語った。

◆74s級フリースタイル 藤波勇飛選手(ふじなみ ゆうひ 1996年5月27日生まれ 22歳)《三重県四日市出身 いなべ総合学園高卒業1山梨学院大学法学部法学科4年》
家族は両親と妹と本人の4人家族

藤波勇飛選手は、昨年の世界選手権(パリ)で70s級フリースタイルに出場。3位決定戦で勝利し初出場ながら銅メダルを獲得した。2度目の世界選手権代表への挑戦は、7月に行われたプレーオフを制して代表に選出された。昨年12月の天皇杯全日本選手権で階級を74sに上げて優勝し、6月の明治杯全日本選抜選手権で優勝をすれば自動的に代表に選出されるはずだった。しかし、5月の東日本リーグ戦の1週間前の練習中に左目下を陥没骨折、大会は途中から出場し6連覇に貢献した。その後に行われた全日本選抜には、アジア大会もあるので大事を取って欠場を決断、プレーオフに回った。試合は、昨年の全日本選手権で決勝戦で破った保坂健選手(自衛隊)と再びの対戦となった。この試合でも藤波の強さが際立ち、相手を寄せ付けずに代表権を獲得した。試合後のインタビューでは「オリンピック階級なのでレベルが高いですし、そこで勝たないとオリンピックでの優勝はないので、今年はそこのレベルに食い込めるようにやっていきたい」と話していた。プレーオフから3か月経ち、初めに8月のアジア大会での話から聞いた。「3位は悔しかったです。自分が負けた選手は世界チャンピオンにも勝っているのでレベルは高かったです。アジアで勝てれば世界でも通用するというのが現状です」と振り返った。それを踏まえて練習では 「自分の短所がアジア大会で浮き彫りになり、昨年と違って自分の実力も知れましたし、現実も思い知らされました。世界選手権ではアジア大会の悔しさを晴らせればいいですが、金メダルなんて贅沢は言いませんけれど表彰台に上がれればいいなとは思います。今回は来年、再来年に向けての大会」と自分の今の立位置を確認することを優先する。

その他に山梨学院大学関係では、OBの57s級フリースタイル高橋侑希選手(ALSOK)、61s級(同)小ノ和也選手(自衛隊)が出場する。全日本代表選手は、10月9日から16日まで東京で合宿を行い、17日にブタペストに向け東京を出発する。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.10.9
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