山梨学院パブリシティセンター
 
平成28年度全日本学生空手道選手権
〜田中美佐稀『個人形』で山梨学院女子初の優勝〜
〜世界大学空手道選手権の日本代表選手に選出〜

山梨学院大空手道部女子で創部初の『個人形』で優勝の快挙!7月3日、大阪中央体育館で行われた「平成28年度第60回全日本学生空手道選手権大会」で田中美佐稀選手(法学部政治行政学科4年)が優勝を飾った。大会は男女各個人組手、個人形が行われ、山梨学院からは男女各2人ずつ出場した。個人形は各地区からベスト8の選手が選抜され、そのうち女子は32人が出場した。予選は採点方式で行い、上位8位(2ブロック4人ずつ)による決勝トーナメントで日本一を争う。田中美佐稀選手はブロックを16人中1位通過し、他ブロック4位の選手と対戦、勝利。準決勝に進み、他ブロック2位の選手にも勝利。決勝では5月に行われた関東大会決勝で敗れた他ブロック1位の清和田雅美選手(慶応義塾大4年)に雪辱を果たし優勝した。田中選手は、4月に行われた「第10回FISU世界大学空手道選手権大会」の選考会でも『女子個人形』の日本代表に唯一選出され8月10日から13日までポルトガル・ブラガへ派遣される。今回のアクティブは全日本に優勝した田中美佐稀選手に今大会を振り返り、空手道への思い、世界大会への意気込みなどを聞いた。

◆昨年流した悔し涙から悲願の学生日本一に

田中美佐稀(たなかみさき 法学部政治行政学科4年 22歳 山梨学院高校)。 
長野県北安曇郡池田町出身 両親、姉二人、本人の5人家族。

「決勝の舞台に立てた時点で『やっとここまで来た』と思って、前の旗が、審判が5人いて前に審判が3人座っているのですけど、その3本が自分のほうに旗が上がった瞬間に『やったー!ついに勝った』と女神が微笑んでくれたと思いました。保護者席というか、応援席に戻った時に涙が止まらなくなって感謝の気持ちでいっぱいでした」と全日本学生空手道選手権『個人形』で優勝した田中美佐稀選手はその時の気持ちを語る。昨年、この大会の準決勝で敗れ3位となり、涙を流して今大会の優勝を誓っていた。「入学当初の目標が大学の全日本で優勝することだったので、それを叶えられる最後のチャンスだったので全国1位になるぞという強い気持ちで臨みました」と振り返る。決勝戦の相手は5月29日に行われた「関東学生空手道選手権大会」でも決勝戦で対戦し完敗した慶応義塾大学4年の清和田雅美選手。高校の時からよく対戦し実力は拮抗する。「大学の最後の年に全日本の決勝戦で当たったのは、すごくうれしかったですし、だからこそ自分の思い切り自信を持って打てる一番得意な形で全てを出し切りました」とライバルとの戦いを制し、山梨学院大空手道部女子に初めての優勝をもたらした。

空手道「形」は、流派で継承されている形を決められた技(受け、突き、蹴りなど)を順番で演舞し、力の強弱、体の伸縮、技の緩急、その他の諸要素が正しく行われているかを総合的に競うものであり、個人形はフィギィアスケート、団体形はシンクロナイズドスイミングのように芸術性を競う競技に近い。実際の試合では、2人が交互に演舞し、審判5人が持つ旗表示により過半数を獲得した選手が勝者となる。田中選手の持ち味は、体幹の強さによるパワーと重厚さ、ぶれのない技と決めの強さで予選、決勝トーナメントを勝ち抜いた。

◆空手道歴18年、努力が実を結ぶ

田中選手が空手を始めたのは4歳の時。元気が有り余るほど活発な子どもだったことから姉の友だちのお母さんから誘われ始めた。「小さいころから空手一筋で走ることは好きですけど他のスポーツは余り得意ではなく、球技は余り好きではない」と言う。長野県出身の田中選手が山梨学院高に入学したきっかけは、小学校2年生のとき全国で優勝して以来、北信越大会では勝つものの全国に行くと全く勝てず、レベルの差を思い知らされた。たまたま長野の練習会に山梨学院高から参加していた選手に声を掛けられ、「関東という厳しいレベルのところに自分の身を置いて戦わないと全国では勝てないと思い、チャレンジという気持ちが強く、環境の良い山梨学院に来ました」と話した。高校に入学すると大学の寮に入り、強くなりたいという一心で練習に打ち込んだ。部活以外にも学校の許可得て週1、2度新潟県の道場に通った。「授業終わる時間にお母さんが山梨へ迎えに来てくれ、新潟へそのまま行って練習して、1度長野の実家に(実家から新潟までは1時間半ぐらい)に帰って、翌朝始発で山梨へ戻って学校に行くという感じでした。本当に母親とか家族の支えがあったからこそここまでこれたと思います」と感謝した。練習の成果もあり、高校3年のインターハイで3位になり結果を出し始めた。田中選手の頑張りは、自身が言う明るく・根気強く・真面目という性格にも表れている。「空手もそうですけど、好きだからこそ厳しくてもできるという気持ちがあるので、楽しいことなら頑張れます。勉強のほうも頑張っているつもりです。高校で3位になった時に、最初は空手だけ頑張ろうという気持ちでしたけど、生活面も勉強面も全部しっかりやらないと勝負の女神は振り向いてくれないと思って、やるなら全部の面でしっかりやろうと。勉強もその年は学年で1位取ったし、今はいろいろなことにチャレンジして、チャレンジしたことは全部でちゃんとやっていこうと思い、部活でもゼミの活動でもしっかりやっています」と真剣な眼差しで語った。指導する片田貴士監督は「彼女のいいところは、特に『形』は性格を表すのですけど、真面目にコツコツ一歩一歩ずつやっていくことが彼女の技の正確性だったり、力強さです」と評価する。

オフはゆっくり自分の時間を過ごす。食べることが好きで料理が得意。また、読書が趣味で特にミステリー小説や漫画を読んでリラックスするという。

◆世界大学空手道選手権に挑戦。次は東京五輪

「びっくりし過ぎて、最初反応できなくて、整列している時に名前を呼ばれ、時が一瞬止まってしまって『あー。私だ』となって、すごくびっくりして会場がざわめいたというか」と語るのは、『第10回FIS世界大学空手道選手権大会』の出場が決まった時のこと。4月24日『世界大学空手道選手権大会』選考会が開かれた。今年は8月10日から13日までポルトガル・ブラガで行われる2年ごとの空手道世界大会。『組手』、『形』とも各種目団体・個人1チーム1人しか出場できないハイレベルな選考会。「最初すごくうれしかったのですけど、世界学生ってFISUの歴史ある試合に、選ばれてしまったという重大さに気付いたら、『あー、何てことになってしまったのだろう』と思って、結構メンタルというかプレッシャーに弱いので、何も考えないでやっちゃう時が一番調子がいいのかなというのがありますけども」とひょうきんな一面を覗かせる。選ばれたからにはどんな試合をしますかに質問に「一緒に行く人たちは、世界大会を経験している人たちばかりなので、そういう人たちの頑張りに負けないように自分も一生懸命喰らいついていこうと思います。まだ、自分は日本取ったばかりのチャレンジャーの気持ちを忘れないようにして、世界はもっとレベルが高いと思うので、しっかり相手に喰らいついていく強気の形を打っていきたいなと思います」ときっぱり答えた。

こうと決めたら牛歩のように一歩ずつ、目標達成まで諦めず厳しい練習にも耐え、努力して頂点にまで上り詰めた根性の持ち主、田中美佐稀選手から目が離せない。2020年東京五輪の追加種目の有力候補になっている空手道に、山梨学院大から最高の舞台に立つ選手として期待したい。手始めに8月ポルトガルからの吉報を待つ。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.7.11
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