山梨学院パブリシティセンター
 
フルコンタクト空手道大会で5連覇
〜前代未聞の偉業、小柄な身体に潜む集中力〜
〜将来は警察官を目指す、心優しい女子大生〜

11月15日、一人の女子大生が偉業を成し遂げた。山梨学院大学法学部政治行政学科に籍を置く、雨宮未沙さん。ごく普通の小柄で笑顔が素敵な女子大生。雨宮さんは「第7回JKJO全日本空手道選手権大会」一般女子中量級で優勝、5連覇した。JKJO空手道とは、フルコンタクト(直接打撃制)で僅かな防具で攻撃可能部位への突き、蹴りによる自由攻防の有効打の優劣で勝敗が決まる競技。時に蹴倒されるシーンがあるスリリングなスポーツである。全国空手道連盟の『形』、『組手』競技とは一線を画し、国内で20万人、世界では2000万人の競技人口を持つ人気の武道である。現在、フルコンタクト空手道は2020年の五輪種目を目指している。今回、アクティブで紹介するのは、高校から現在の大学2年までフルコンタクト空手道で5連覇を達成した、雨宮未沙さんにフルコンタクト空手道の魅力、5連覇の思いを聞いた。

雨宮未沙さん(あめみや みさ 山梨学院大学法学部政治行政学科2年 19歳 日川高校出身)。笛吹市一宮町在住、両親と姉の4人家族。
雨宮未沙さんがフルコンタクト空手を始めたのは、小学生2年生の時。未沙さんの友だちが習っているのを父親と見学し、未沙さんに進め始めるようになった。その面白さ、より強さを求め小学6年生の時に、現在の北晋・寺西道場韮崎教室に通い本格的にフルコンタクト空手と向き合うことになった。一つ上の姉の雨宮咲輝さん(拓殖大3年)も1年遅れて始めたフルコンタクト空手は、二人してめきめき上達、姉妹はいくつもの大会で優勝を経験している。現在は、寺西道場・韮崎教室で姉妹揃って練習する傍ら、指導者として後輩を教えている。

◆人のために。心優しい武道家

中学2年で「全日本ジュニア空手道選手権大会(中学の部)」で初めて3位になり表彰台に上った。中学3年で2位と階段を上り、翌年の高校1年でついに頂点に上った。2年、3年と連覇、高校3連覇。高校時代は部活で空手道部にも入り『形』も練習してきた。大学でも空手道部という気持ちを持ったが、両立は難しいとフルコンタクトに絞った。大学1年になり一般女子中量級に初挑戦。「挑戦者として、どうしても優勝して4連覇と、強い気持ちで臨みました」と雨宮未沙さんは話す。今年の11月15日に行われた5連覇が掛かる大会は「5連覇という区切りもあるし、死守しようと今まで以上に、こだわりを持ちました。道場では上の年齢なので後輩のためにも意地でも勝ちたいという思いが強く、必死に戦いました。小学6年から通った寺西道場にも恩返しがしたかった」と5連覇へのこだわりを話す。「自分が打たれたり、相手も打たれたりでお互いの痛みが分ります。それに、練習相手の突きを直接受けていて『最近、パンチ強くなったね』とか『蹴りに力が出てきたね』とか言葉を交わすことで、一緒に高めて行けるという楽しさがあります」とフルコンタクト空手の魅力を語る。寺西道場の寺西悟師範は『女性版、気は優しく力持ち』と一言で表現。「自分に厳しく練習熱心で負けず嫌い。そして人を思いやる気持ちを持っているので、選手兼指導者としても信頼しています。優しい顔してますが、試合の時は怖いぐらいに集中しています」と評する。

◆将来は相手の気持ちが分る警察官に

雨宮さんの将来の夢は、警察官。「人のためになることが楽しくて、自分のためより、人のために何かしたいという気持ちが大きくて警察官が良いと思った。警察官になったら、犯人を捕まえるよりも被害にあった人を助けてあげたい気持ちが強くて、この人がいるから大丈夫だと思われる警察官になりたい。警察官になったら色々な人と関わるので、今、障害者や生活困窮者に寄り添う福祉関係の勉強もしています」と、雨宮さんの根底にあるのは人のため。自分たちが企画した福祉イベントにも練習の合間を縫って積極的に参加する。後輩のため、世話になった先生のために。雨宮さんには感謝の気持ちが溢れていた。次の大会は3年生になるので勉強と大会のための練習と両立が難しく、出場するか迷っている。指導者としては、後輩に自分の持っているものを大学3年、4年で子どもたちに伝え、全国大会に出場する選手を育てて行くことをこれからの目標にしていきたい」と、自分に続いて貰いたいと思っている。そして、雨宮さんはこうも言う。「強くなって欲しいというのはあるんですけど、勝っておごらず、感謝の気持ちを忘れずに、という心が大事だと教えたい」と武道家の一面を覗かせた。

現在、雨宮未沙さんはJKJO一般強化選手Sクラスに選出されている。警察官、指導者、あるいは選手を続けて東京五輪を狙うか、将来の『道』に、まだ明確な答えは出ていない。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.12.12
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