山梨学院パブリシティセンター
 
高校生への選挙講座にチャレンジ
政治行政学科江藤ゼミの有志6人

法学部政治行政学科江藤俊昭教授のゼミナール生6人グループが、平成24年度春季学生チャレンジ制度の認定を受けて「学生が創る一票〜高校生に政治・社会の仕組みを若者自身が教える〜」活動に取り組んでいる。活動の内容は、県内の高校を訪問して選挙制度について考える出前講座を開講しようというもの。講座内容は、若者の投票率の低さに着目して若者が投票に行かないとどのような結果になってしまうかを、判りやすく解説するために○×ゲームや模擬投票を実施して高校生に伝えよういうもの。最初の活動として、このほど甲府商業高校を訪問し出前講座を行った。今回のACTIVEは、国民の政治離れや政治不信を選挙制度や投票率の低さいう視点から考察し、一票の重さと民主主義の大切さを高校生に伝えようと取り組んでいる政治行政学科江藤ゼミの 3年生有志6人のチャレンジにスポットを当てた。

研究グループは、代表の清水勇希さん・高梨達也さん・瀧口真理子さん・澤登浩陽さん・村松光祐さん・佐野航大さんの6人。ゼミの先輩たちの活動を見て、学生の活動や研究を資金面でサポートする山梨学院学生チャレンジ制度を活用して、大学生のうちに大学生だから出来る何か変わったことに挑戦してみようと始めた。政府が選挙権を現行の20歳以上から18歳以上への引き下げを検討していることや、総務省が若年層の選挙認識を高める活動を推奨しているのを知り、卒業するとすぐに投票所に行くことになるかも知れない高校生を対象にした"大学生による高校出前講座"にチャレンジすることにした。

悩んだのは、選挙と言ってもピンとこないだろう高校生に、法律専門用語などをどう伝えればいいのか、高校生が面白くて・楽しいと感じる授業をするにはどうすればいいのかという点だった。自分たちも3年ほど前は高校生、若者が若者に伝える視点から思いついたのが「20代の投票率が低いので、政治家は投票する中高年向けの政策を重視する。若者の投票が増えると、若者の声を無視できなくなり、若者向けの政策が増える」という高校生が理解しやすい視点だった。一票の重さを若者同士の感性で訴えることにした。最初は何から手を付ければいいか分からなかった上に、メンバーのほとんどが人前で話すのは苦手、高校生を相手に授業をすることは無理難題にも思えた。それでも全員で話し合い。 試行錯誤するうちに少しずつ先が見えた。本番の1週間前、大学キャンパス内の広報スタジオにゼミ生全員に集まってもらい、本番と同じスタイルで予行演習を行った。ゼミの先輩や仲間からは「思ったよりいい」という声と「あそこの部分は改善する必要がある。喋り方のテンポや間の取り方を工夫すべき」という指摘が寄せられた。仲間のアドバイスを基に中身を改善し、高校生に楽しんでもらえそうな話し方を練習して本番に備えた。

第1回"出前講座"が本番を向かえたのは7月10日、会場は甲府商業高校商友館。話を聞いてもらうのは1年1組の男子10人・女子23人。山梨県選挙管理委員会の職員が視察に訪れるなど、外部の人も関心を寄せる中で33人の生徒を相手に出前講座が始まった。全体の司会進行を代表の清水勇希さんが務め、最初に国政選挙の投票率の低下と、特に若者の選挙離れが深刻なことを伝えた。次に、佐野航大さんと瀧口真理子さんが「宝くじの賞金3億円に税金はかかるか、かからないか、○か×で答えて下さい」などの○×クイズを実施。最初は戸惑い気味だった高校生から笑い声が出て会場の雰囲気が和らいだ。続いて行なったのが一番伝えたかった「日本の選挙制度」と「国政と地方政治の違い」の話。村松光祐さん・高梨達也さん・澤登浩陽さんの3人が登場、パソコンのパワーポイントでグラフや統計数字を紹介したり、言葉に合わせてボードに法律用語を貼り付ける方法で解説を行った。無理やりインタビューをするなど3人交代で懸命に奮闘したが、高校生から受けを取るのはやはり難しい、ここはやや滑り気味で苦戦した。受けたのは最後に実施した"第1回甲府商業高校模擬投票"、4人の学生が「きずな党」「未来党」「みどり党」「希望党」代表として立候補演説を行い、選挙管理委員会からお借りした投票所セットで実際の投票と同じ手順で生徒に投票してもらった。開票作業の結 果は、紅一点の「みどり党・たきぐち真理子さん」の当選となった。

受講した男子生徒の一人は「今までは、選挙は大人がするもので自分には関係ないどっちでもいいことだと思っていた」と話し、女子生徒の一人は「分かりやすく説明してくれたので、知らなかったことが良く分かりました」と話し、二人とも「選挙権を持ったら、若者の意見を政治に反映させるために投票所に行こうと思います」と口を揃えた。

6人のメンバーと江藤教授にそれぞれの感想を聞いた。
清水勇希さん「言葉とか仕組みの説明をどうするか、どう工夫するかが僕たちの中では一番のテーマでした。高校生から教えられることも多かったし、バタバタしちゃったところもあったんですが、生徒さんが臨機応変に対応してくれて助けられました。自分の勉強に一番なりました」。高梨達也さん「ここまで作って来たものを高校生の前で発表出来て、伝えたいことは伝えられたと思います。20歳になった時に今回の事を思い出してほしいし、僕たち自身も学べることがあったので大学生活に生かして行きたい」。瀧口真理子さん「すごく緊張しました。自分が当選するとは思ってもいなかったのでびっくりしました。9月か10月に山梨学院高で第2回を実施するので、改善出来るところは改善して、より判りやすく伝えるように工夫したい」。澤登浩陽さん「大学に入ったからには何か変わった自慢できることをやってみようと清水君と話して始めました。人前で話すのは苦手ですが、楽しくないと高校生は聞いてくれないと思っていたので、なるべく言葉を砕いて明るい感じを意識してやりました」。村松光祐さん「判りやすい言葉を選ぼうと考えて来たんですが、本番になると頭が真っ白になって、実際にはうまく言えない所があったなとも感じています。ゼミでリハーサルをした時に、ここはこうしたらどうだ、ここはこう発表したらどうかという指摘を受けて改善したので、最初の頃と比較するといいものが出来たと思います」。佐野航大さん「どうしても硬い話になるので、その前に○×クイズを実施しようと話し合い、自分と瀧口さんで担当しました。クイズで笑ってくれたり、興味を持ってくれている手応えがあったので、まあまあの出来だったなと思います」。江藤俊昭教授は「今回の意義は、高校生に近い同じような若者が活動することで、社会や若者が政治に関心を抱きやすくなるのではというところにあった。練習したので何とか上手くやってくれた。彼らにとっても良かったのではないか」と及第点をつけた。

大学生による高校生に向けた出前講座で、一番多くの事を学んだのは、実は、高校生ではなくチャレンジした大学生自身だった。江藤ゼミの6有志は、今回の経験を踏まえて、高校生に判りやすい一票の重さを訴える冊子の作成を計画している他、後期には山梨学院高校を訪問し、第2回出前講座を実施することにしている。今回の経験と反省点を冊子の作成と第2回以降の講座に生かすことにしており、政治や選挙への関心を高める取り組みを、若者の立場から社会に発信していくことにしている。

文・カメラ(M.T) 
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