山梨学院パブリシティセンター
 
箱根駅伝2年連続区間賞・区間新樹立
山学大のシード権獲得に大きく貢献

オンディバ・コスマス選手、1989年12月13日生まれ 22歳、山梨学院大学現代ビジネス学部現代ビジネス科4年、身長170cm、体重53kg、血液型A型、ケニア出身、高校から山梨学院で学ぶ、第88回東京箱根間大学駅伝競走で高校・大学7年間の集大成となる激走、3年連続で起用された3区(21、5キロ)で1時間1分38秒の区間新記録を樹立、チームを16位から9位に押し上げる7人抜きで山学大のシード権獲得に大きく貢献

山梨学院大のケニア出身留学生は、初代の故ジョセフ・オツオリさん、オンベチェ・モカンバさん、ステファン・マヤカさん、メクボ・モグスさんら8人いるが、全員がキシ族で全員が同郷。コスマス選手は先輩たちと同じ様に「日本で強くなりたい」という思いを抱き、山梨学院高に入学した。最初は、日本の布団に驚いた。生活習慣の違いと言葉が全く分からずホームシックにかかった。英語科の同級生が英語で話しかけてくれて、少しずつ日本語が分かるようになり、高2の頃から徐々に日本語を話せるようになった。来日するまで駅伝は知らなかったが「みんなでタスキをつなぐことは楽しい」とすぐに魅力を感じた。3学年上の先輩モグスさんと常に比較され、3年までは華やかな実績は残せなかった が、高校・大学ともに着実に記録を積み上げ、4年最後の箱根路で大輪の花を咲かせた。

高校時代の主な競技実績、
国体5000m優勝、全国高校総体2位、県高校陸上新人大会で出した1500m(3分57秒30)・5000m(14分07秒55)と平成17年県高校総体3000m障害(8分58秒58)の大会記録は当分破られそうもない不滅の記録。

大学時代の主な競技実績、
1年全日本大学駅伝8区区間賞、2年・3年の関東インカレハーフマラソン2連覇、4年上尾シティハーフマラソン優勝、自己ベストは5000m13分44秒65、1万m28分37秒95、ハーフマラソン1時間2分27秒、10月の箱根駅伝予選会で個人1位(チームは予選会2位通過)、箱根駅伝は2年から3年連続3区で出場、2年区間2位、3年区間1位、今回区間新1位、

プレイバック・区間新「Vol.1360箱根駅伝(往路)より抜粋」
3区は平坦だが1キロ付近から9キロまで約60メートル下るコース。コスマスは「記録を意識し、自分の走りに集中」して東海道を走る。ここは昨年区間賞を獲得したコース。1キロを「2分50秒と自分の走り」で冷静に走る。原宿交差点から藤沢市の遊行寺坂(約5キロ)は「時計を押し忘れ時間が分からなかったが、監督から『13分57秒』と教えられ、最後まで行けるかな」と思ったが、そのままの勢いで疾走する。浜須賀歩道橋前を右折すると左に相模湾、正面に富士山の絶景が見えて来た。「冷たい強い向かい風で、お腹が痛くなり」ペースダウン。茅ヶ崎公園野球場を過ぎ15キロ地点で「風もなくなり、気温が上がりペースも戻った」と再び激走。平塚駅南入口から袖ヶ浜歩道橋を走り抜け 、残り1キロを「『記録を残せるように、最後まで諦めないように』とモグスさんに言われた」言葉を思い出し快走する。1時間1分38秒の区間賞・区間新記録、7人抜きの快走で順位を9番に押し上げた。「力を出し切った」コスマスは、花水レストハウス前の第2平塚中継所で待つ田口に「最後まで守って」と叫んで襷を手渡した。飯島理彰コーチ「コスマス2区起用論もあったが、理想は1区、2区と粘り、3区のコスマスロケット、4区の田口ロケットで、山上り(5区)はキープで上位を狙うという想定だった。結果は中村悠二が諦めずに前との差を詰めていてくれたので、コスマスの快走に繋がった、作戦が功を奏した」。上田誠仁監督「コスマスは18分を突っ込む走りで後半潰れるかと思ったが最後まで走ってくれた。最後の最後に区間賞・区間新記録を出してくれた、圧巻の走りだった」2人の指導者は、ともにそのラストランを称えた。

あの箱根駅伝から2週間後、大学キャンパスの広報スタジオで「競技のために普段心がけていることは」と尋ねると「ゆっくりと風呂に入り、体の芯の疲れを取ること」と、まるで日本人のような風呂好き言葉が返ってきた。練習後は、寮の近くにある太宰治も通った銭湯「喜久の湯」で汗を流すのを楽しみにしている。箱根駅伝の時にコスマス選手に付き添った服部功太郎副務(写真右)は「周りから見ていて今年は変わった。箱根の3区待機所で待っている時は全く緊張していなかった。高瀬無量先輩と携帯で話す余裕があった。調子がいい時は緊張しないので、これは大丈夫だと思った。2年の頃は苦手なことはやりたがらなかったが、4年になってからは腕の振りを強くするために筋トレに励むなど、とても努力していました」と振り返る。

普段は、マイペースののんびり屋さん、大学キャンパスを一人でふらっと散歩するのが好き、川田『未来の森』陸上競技場で練習する時も、集団走行は嫌いでマイペース調整、自分の体から伝わってくる感覚を最も大事にしている。リラックス法・集中法はケニアの音楽を聴くこと。そして、モットーは、モグス先輩から教わった「最後まで諦めずに走ること」。大学卒業後は、山形県南陽市役所陸上部に所属する予定。創部2年目のチームをいきなり「ニューイヤー駅伝」初出場に導く原動力となる。将来の目標は、マラソンでのオリンピック出場。「2年ぐらいかけて徐々に距離を伸ばしていく」と語った。山梨で育ち羽ばたき、山形で飛躍、五輪で飛翔、その夢を胸に巣立って行く。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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